広島県は宮島の名勝、厳島神社。海外からの参拝客も多くいつも賑わっている印象があります。暗くなってからナイトクルーズで鳥居を潜るととても雰囲気があってワクワクするような荘厳な何かに触れているような、なんともいえない気分になります。

私のすごく好きな場所なのですが、そんな大鳥居は今工事中。前回(2019年8月)に訪れた時にも鳥居を潜ることはできませんでした。

この工事がいつまで続くのか、なぜ修繕に時間がかかっているのかなどを簡単にまとめてみます。

 

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大鳥居について

安芸の宮島で一番有名なスポットが、厳島神社の大鳥居。荘厳な赤い鳥居は見るものを引き付けて止みません。小学校の修学旅行で訪れた時、そのあまりの大きさに驚き、鮮やかな赤にため息が出たのを覚えています。

厳島神社の大鳥居は、伝承では1169年に平清盛が建立したものだと言われています。実に850年前に建立されたものが何度かの建て替えを経て現在に紡がれているなんて、歴史のロマンを感じますね。

この鳥居が海の中にあるのには理由があります。

厳島神社の方角へ参拝するには、海から参る必要があります。鳥居を潜って参拝するため、正式な入り方は小舟で海から大鳥居を潜るという方法になるそうです。

夜にはナイトクルーズが開催されており、海からの参拝を体験することもできます。宮島を訪れるなら、是非とも一泊して海からの参拝を楽しんでもらいたいです。

 

修繕について

2019年8月に広島を訪れた時、大鳥居はすでに修理中でした。

宮島へ向かうフェリーからは、足場を組まれた大鳥居を見ることができました。

修繕中の様子を見ることができるのも、レアでラッキーなのかもしれません。

厳島神社の大鳥居(修理中)

 

修繕期間は?

厳島神社大鳥居の修繕期間は、公式サイトによると

令和元年 6月 17日 〜 終了未定 となっています。

修繕工事の内容は、大鳥居の屋根葺替、塗装及び部分修理とのこと。

実際に訪れた2019年8月、修繕がいつ終わるのか気になって観光船のガイドさんの説明に耳を傾けたところ、大鳥居の修繕が終わるのは2020年8月予定とのことでした。。

ただしこれは2019年8月時点で「予定」となっていたことなので、コロナ禍の影響もあり今では少し伸びていることだろうと思います。

4月30日にツイートされた画像を見ても、まだ足場は組まれたままでした。

さらに、現在では布がかけられていて鳥居の赤が見られないようです。

また、2020年1月〜7月末までは 東廻廊の修復、8月からは東廻廊、客神社で拝殿・拝殿の屋根葺替、塗装工事が行われるそうなので、今年は厳島神社に行っても荘厳な赤を目にすることはできないかもしれませんね。

 

建て替えでなく修繕の理由は?

大鳥居の修繕ですが、なぜ再建ではなく修繕なのでしょうか。

厳島神社は1168年に平清盛によって建てられました。翌年の1169年に大鳥居が建立されていますが、この時はまだ現在の形ではなく2本足の鳥居だったそうです。

過去にも何度か大鳥居が建て替えられたことがあり、現在の大鳥居は8代目、明治8年(1875年)の再建です。

せっかくなので、これまでの大鳥居建て替えの歴史を調べてみました。

建立年 建立者
初代 1169年(仁安4年) 平清盛
二代目 1286年(弘安9年) 不明
※1325年(正中2年) 大鳥居が転倒(台風によるもの)
三代目 1372年(応安4年) 不明
四代目 1547年(天文16年) 大内義隆
五代目 1561年(永禄4年) 毛利元就
六代目 1739年(元文4年) 浅野吉長(安芸5代藩主)
1776年(安永5年) 大鳥居が倒壊(落雷によるもの)
七代目 1801年(享和元年) 浅野斎賢(安芸8代藩主)
八代目 1875年(明治8年)

 

長い時は150年以上、短い時で20年ほどで大鳥居が建て替えられています。

大鳥居は海の中に建てられているため、通常の神社の鳥居と比べて劣化が進みやすくなっています。そのため、大体150年くらいで建て替えの時期になるのだとか。

劣化を遅らせるため、大鳥居は海に埋め込んで作られるのではなく海においた石の上に鳥居を組み、それぞれの柱をさらに倒れないよう木組みで支える構造になっています。

最初に建立された時はこの構造ではなく、通常の二本足の鳥居だったようですね。

現在の、8代目の大鳥居はすでに建立から150を経過しているものなので時期的には修繕より建て替えの方がふさわしいように感じます。

観光船のガイドさんによると、大鳥居が修繕でなく建て替えとなる理由は、材料となるまっすぐに伸びた大きな楠が手に入らないから

あったとしても、樹齢を重ねた鳥居にできるほどに大きな楠は天然記念物に指定されていたり、他の神社のご神体になっていて伐採することができないのだそうです。

外国にはひょっとしたらあるのかもしれませんが、さすがに大鳥居に使用されるものには国産の楠を使用したいですよね。

楠について調べてみましたが、鳥居に使用されるようなものは樹齢500年以上からでないとないみたい。今ある楠を大切に育てていくにしても、何十年もかかるかもしれません。その間、空洞化してしまっている大鳥居をなんとかメンテナンスするのは、職人の腕の見せ所かもしれませんね。

 

まとめ

  • 大鳥居の修繕工事終了予定は現在未定
  • 宮島の大鳥居は現在のもので8代目
  • 現在の鳥居は、明治8年に建てられてから145年目
  • 建て替えでなく修繕となるのは、材料の楠が手に入らないから

日本が世界に誇る、歴史の遺物、厳島神社の大鳥居。今回は修繕ですが、いずれは立派な楠が手に入り建て替えをすることができる日を待っています。

 

 

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