CONTRASTは、創(造)る行為で私たちを魅了する人物にフォーカスし、彼らとの対話から「ものづくりの温度」を伝えるウェブマガジンです。

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CONTRAST [インタビュー] 突き詰める旅

突き詰める旅

Bacho(プロフィール)

Bacho

プロフィール Bacho
Vocal and Guitar : 北畑欽也
Bass : 伊藤知得
Guitar : 三浦義人
Drums : 高永和裕基

2009年 cosmicnoteよりデモ『僕を定義する』をリリースし500枚を完売させ期待が高まる中、1st mini album『求』を発表。膨大な量のツアー本数をこなしながら2010年11月、2nd mini album『レコンキスタ』をリリース。2013年にはFUJI ROCK FESTIVALのROOKIE A GO-GOへの出演を果たす。その直後に7" EP 『落葉』をリリースし東京でのワンマン、神戸でのLOSTAGEとの2マンは未だかつて無い熱狂で迎えられた。さらにその年末にはenvyとの2マンを成功させ次へのステップを踏み出した。
2014年1月にはFIVE NO RISK、PALM、waterweedとの共同企画「MAN POWER」を大阪心斎橋BIG CATで開催し、このシーンの熱量を焼き付けた。続いて3月に今作の布石になるような空気感を内包した新曲が収録されたV.A.『cosmicnote10』に参加、代官山UNITで開催されたcosmicnote 10th annIversary fesではレーベル10周年フェスのトリという大役を務めた。
そして2014年の大半を曲作りとレコーディングに充て、待望の1st full album『最高新記憶』を完成させた。

Bacho公式WEBサイト
『最高新記憶』特設サイト

姫路から、ありのままの感情をのせてかき鳴らし絶唱するBacho。楽曲やライブから感じる日々の鬱憤の発露に評価が集まるが、それはインディーズの枠の中で語られるにとどまっていた。2013年のFuji Rock Festivalに出演したものの、バンド名を知っている方はまだ多くないのではないかと思う。

2015年2月25日。彼らのバンド活動13年の集大成となる1stフルアルバム『最高新記憶』の発売日。この日、状況が変わった。タワーレコードをはじめ各レコードショップの特集コーナーに、肝心のCDがなかった。正しくは、朝にはあった。売れて、なくなった。バンド自体の等身大の活動が、周囲の予想を超えて実を結びはじめた瞬間だった。

今回のアルバムの発売に際し、私は特設サイトで公開しているロングインタビューを担当させていただいた。約25,000文字にわたる長編ながら、まだまだ話題は尽きない。ここでは、Bachoが受けた他のバンドからの影響やターニングポイントとなったライブについて触れていく。
新たな地平に登り出した彼らは、今年いっぱい楽器を携えた旅人。その旅へと向かう心境は、期待感で漲っていた。

Text by WATACO Photo by Kazushi Matsumura

姫路、そして高砂から

姫路の位置って、神戸と岡山にちょうど挟まれているじゃないですか。近いところの大きい都市はその2つだと思うんですが、そこからの影響はありますか?

北畑

神戸はありますね。割と近いし、しょっちゅうライブも出てたんですよ。月に何本も。神戸にわざわざ行くという感じではなくて、レギュラー的にやってた。神戸にはBLUEPORTってライブハウスがあるんですけど、そこでかなりライブをやって、いろんなバンドと対バンしましたね。ENDZWECKと2回目にやったのもBLUEPORTだし。

関西のシーンって、大阪と神戸では結構違うものですか?

北畑

うーん、どうなんやろ。一緒じゃないけど、近いっちゃ近い……距離的にもそうですし。

感覚的ですけど、例えば、関東のシーンだと東京と横浜は近いけど、ちょっと違うというか。それと似てるのかなって思ってました。

北畑

ああ、そういう意味では違いはありますね。神戸のバンドは別に「大阪のバンドや」とは言わへんし。でも、だからといって大阪がどうとかでもないし。

まあ、ちょっと独立したところがある。

北畑

そうですね。神戸は神戸でありますね。

姫路は姫路で独立してる部分ってあるんですか?

北畑

ありますよ。ただ、姫路は独立しててもシーンが小さい。だから、ずっとやってる人がいても時間を持て余してしまうというか。姫路でもっとライブしたくても、月に5本やったらメンツ的にも面白くなくなってくるだろうし。だから、神戸とか大阪でやろうってなる。

CONTRAST [インタビュー] Bacho | 突き詰める旅

岡山には目が向かないんですか?

北畑

岡山……も行ってましたけど、やっぱり感覚がちょっと違う。岡山のほうが遠出する感じになる。


伊藤

岡山に行くんやったら、神戸とか大阪のほうが行きたいなって。


北畑

岡山ディスり(笑)?


伊藤

いや、そんなんじゃないけど(笑)。


北畑

まあ、あんまり行く機会はなかったですね。岡山に行かなかったわけじゃないけど、やっぱり神戸は普段からよく行くし。

ああ、なるほど。神戸はバンドじゃなくてプライベートでも行くような場所だから。それは大きいですよね。

伊藤

そう、ホームみたいなもんです。

YouTube Preview Image

Bacho interview「更新する未来、最高の新記憶」より抜粋

演奏を突き詰める理由

今回のアルバムのリリースツアーで各土地を回っていくと思うんですけど、このバンドとやるの楽しみだぜっていうバンドはいますか?

北畑

そりゃいますよ。

具体的に名前を挙げると?

北畑

そりゃもう多すぎて……。

やるバンドが全て楽しみってことでしょうか?

北畑

そういう普通の楽しみもありますよ。知らないバンドももちろんあるし、久々に一緒にやれるなってのも。初めは全然知らんかったけど、バンドをやっていく中で、普通に友達になってるバンドも好きやし。いろんな街で再会できるのがめちゃくちゃ楽しみですよね。

ちなみに、みなさんにも聞きたいんですけど、今付き合いのあるバンドで「このバンドは本当に衝撃を受けたな」っていうバンドを挙げていただけますか? 限定しづらいですかね?

北畑

昔から知ってるし、最近衝撃を受けたわけではないですけど、僕はやっぱりmy name is…ですね。とにかく突き刺さりました。去年ツアーをやってるときも再確認しましたね。

my name is…の1stアルバム『東京プラスチック』はやっぱり大きな存在ですか。

北畑

うん。『東京プラスチック』はアホみたいに聴きましたね。普通に影響されてるんじゃないかと思いますよ。曲とかも。

Bachoの楽曲自体にもmy name is…から影響があるんですね。

北畑

はい。

あ、そうか、世に出てきたのはBachoの方がmy name is…よりちょっと後でしたか。個人的には、そういう影響関係はなく同時多発的に出てきたのかなと思っていました。

北畑

いや、実は僕、my name is…と友達じゃない頃からアルバムをめっちゃ聴いてたんで。普通にファンとして。まず歌がすごいねんけど、それだけじゃなくて、やっぱり彼らの楽曲には演奏するおもしろさもあるじゃないですか。そういう、めちゃくちゃおもしろい演奏の上に、めちゃくちゃおもしろい歌が乗ったら、これは最高やろうって思ったんです。

CONTRAST [インタビュー] Bacho | 突き詰める旅

なるほど。そういう影響の受け方をしたんですね。

北畑

うん。やっぱり、my name is…はみんなすごい。宮島(Vo.)は、すごいボーカルやと思うけど、あのバンドはそれだけじゃない。

シンゴのドラムもバリエーション豊かで。

北畑

しかも演奏も突き詰めてて。

おもしろいフックもたくさん入ってくるし。

北畑

そうです。それ最高やろ!っていう。だから、Bachoは歌詞がいいねと言ってもらえる事が多いから、もちろんしっかり歌詞を書こうと思うけど、それだけに頼ってもおもしろいバンドにはならない。演奏を突き詰めるからこそ歌詞書くのも、歌うのも、盛り上がってくるんですよね。

なるほど。それが彼らに詰まってたんですね。伊藤さんはどうですか?

伊藤

それこそやっぱり、さっきの欽ちゃんが言ったmy name is…が復活したときはすごく熱くなりましたね。あと、東京でakutagawa観たときは相当感動しました。「これなんや?」と思いましたもん。最近で言うとtricotですかね。

ああそうか。一緒にやりましたもんね。

北畑

うん。tricotにハマってる。超よかったですね。

tricotの虜(笑)。

一同

(笑)

CONTRAST [インタビュー] Bacho | 突き詰める旅

なるほど。Twitterとかでもtricotって言ってましたもんね。

三浦

僕も完全にその通り虜ですよ(笑)。


高永

僕はkamomekamomeですね。2009年の『求』のツアーの東京編が下北沢SHELTERで、今回のツアーの初日がまた同じメンツでの下北沢SHELTERなんで、そのときとの自分らの違いが、どうやってその人たちに見えるんかっていうのが楽しみですね。

CONTRAST [インタビュー] Bacho | 突き詰める旅

なるほど、昔と今と。

北畑

昔はほんまにビビったもんな。リハ観て、喋らへんかった。「あっ…」って(笑)。ただただ圧倒。「え、この後に俺らやらなあかんの?無理無理!」っていう。

あの大きい先輩たちは相当強いですものね(笑)。ちなみに、バンドとしてはニトロ(nitro mega prayer)との繋がりも強いですよね?

北畑

そうですね。ニトロのボーカルの中野さんが神戸BLUEPORTをやりだした頃かな。かなり昔の俺たちが3人のときから買ってくれてて。ニトロの企画にBachoを呼んでくれたりしてたんですよ。ただ、俺たち的には、ちょっと若すぎていろんな音楽がワケわからんくて。今聴いたら最高にカッコいいんですけど、そのときはようわからへんみたいな感じだった(笑)。俺ら、こんなにシンプルで大丈夫かな、みたいに思ったし。

ニトロの音楽性も、ある意味独特ではありますもんね。

北畑

でも、そんな関係を通して「これがええよ」とか「ああいうのが好きちゃう?」とか、それこそmy name is…も教えてもらったんです。今アートワークとかやってもらってる、まっつんさんはニトロで最後にベース弾いてた人で、昔から仲がいいんですけど、先輩方から「これ、ちょっと聴いてみ」って教えてもらったのがかなりデカいですね。