CONTRASTは、創(造)る行為で私たちを魅了する人物にフォーカスし、彼らとの対話から「ものづくりの温度」を伝えるウェブマガジンです。

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CONTRAST [インタビュー] 手をひろげて、つながる輪

手をひろげて、つながる輪

YeYe(プロフィール)

YeYe

プロフィール YeYe
1989年生まれ、滋賀県出身。2010年より京都を中心に本格的な音楽活動を始める。
自身で作詞作曲、演奏までをこなした1stアルバム『朝を開けだして、夜をとじるまで』は大反響を呼び、各地FMにてパワープレイに選出。その才能はASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文の目にも留まり、後藤のソロプロジェクト楽曲「LOST」にてコーラスを務めたり、最近ではCMへの楽曲提供・出演など、活動の幅はどんどん広がっている。
2013年夏には、レーベルメイトIt’s a musicalの来日ツアーに宮内優里とともに帯同。
2013年9月に2ndアルバム『HUE CIRCLE』リリース、2014年1月14日にはホームである京都のMUSEにてファイナルスペシャルバンドセットでのツアーファイナルを控える。

YeYeウェブサイト

一度YeYeのライブを観たら、誰もが必ず虜になってしまうだろうという自信がある。

軽やかで透き通る歌声とあらゆる楽器を使いこなすスキル、楽曲作りのセンスはファンのみならず、多くのアーティストが高く評価するのもうなずける。何より楽しみなのが、サポートメンバーたちとのMCだ。関西人ならではのテンポの良さだけでなく、彼女の人間味と、メンバーたちとの信頼と結束の強さが手に取るように伝わり、フロアを満たすアットホームな空気は、完全にオーディエンスを彼女の世界に引き込んでしまう。

そんな彼女は2013年9月に待望の2ndアルバム『HUE CIRCLE』を発表した。自身で作詞作曲、演奏をこなした前作『朝を開けだして、夜をとじるまで』から一変、バンドセットの楽曲も多く収録され、TurntableFilmsの井上陽介も参加するなど、まさにミュージシャン仲間との輪を成すアルバムに仕上がっている。

デジタル世代ど真ん中の24歳は、TwitterやUstream、Instagramを駆使する一方でライブを大切にし、ライブハウスにこだわらないカフェを中心としたツアーは、いわゆる”音楽ファン”に偏らない新たなファンやお店とのつながりを生み続けている。残すところは京都のファイナル公演のみ、こちらでは普段のサポートメンバーに加えファイナルスペシャルサポートメンバーの出演も決定しており、彼女の交友の広さがうかがえる。ファンも、お店も、ミュージシャンも巻き込んで、彼女の作る輪はとどまることを知らず広がり続けていく。

そんな輪の中心で、彼女は何を想うのか。

大好きだと公言する映画『BACK TO THE FUTURE』のごとく、アナログとデジタルの間を自由自在に飛び回るYeYeの、これまでとこれからに迫るインタビュー。

Text by Yukari Yamada Photo by Takuya Nagamine

きっかけはお兄さん

まずは音楽との出会いからお願いします。

YeYe

4人兄弟で、兄が3人おりまして。その3人とも音楽をやってて。気付いたときから周りに楽器があったので、自然に始めた感じです。

最初は何の楽器から?

YeYe

お母さんのピアノが家にあったんです。それでちょっとの間、ピアノを習ってたんですけど、楽譜を見て演奏するのが嫌いで(笑)。ギターだったら、兄も、私も同時にギターを持ちながら(お兄さんそれぞれの分で3台のギターがあった)直接教えてもらえたので、ギターをやるようになって。他に、ベースもドラムもあったので、いろいろかじりました。中学時代はテナーサックスをやってましたね。

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この時点で一通り演奏できてたんですね……。高校時代はどうでしたか?

YeYe

そんなに活動は多くなかったんですけど、一応バンドを組んでました。「閃光ライオット」っていうオーディションがあるじゃないですか。それで優勝したら賞金100万円もらえるって聞いて、ライブなんかやったことなかったんですけど、山分けした賞金で一眼レフのカメラが欲しいと思って(笑)。そういう動機で応募したら、なぜかファイナリストまで残ってしまって。

ちなみに、そのときのバンド名って?

YeYe

ネットで調べたら出てくるので、探してみて下さい(笑)。

YeYe自体は、バンド編成もありますがソロ活動ですよね。

YeYe

その閃光ライオット(2009年)で、初めて自分のオリジナル曲を人前で演奏したんですけど、それがきっかけで音楽に対する欲が出てきて、自分でも曲を作り始めて。でも、メンバーそれぞれ音楽へのスタンスがちがったので、そのバンドは自然消滅しちゃったんです。それで、大学3年生だった2009年の年末にソロで活動することを決めて、2010年から「よしっ」という気持ちでライブを始めました。

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区切りよく(笑)。意外に最近なんですね。

YeYe

今年で4年目ってことになるんですかね。

大学ではサークルに入ってたんですか?

YeYe

一応、軽音楽部みたいなサークルには入ってたんですけど、そこではオリジナルじゃなくてコピーバンドをしてたので、YeYeは外での活動という感じでしたね。

ソロ活動に対して、サークルはどういう位置づけだったんですか?

YeYe

コピーバンドは、演奏のスキルを上げるためにやってました。普段自分が聴かない音楽もやったりしたので、かなり勉強になりましたね。そのおかげで、1stアルバムはすべて自分で楽器を演奏して作れたわけですし。

チェンバーポップに憧れて

昔からどういうジャンルの音楽を聴いてたんですか?

YeYe

小さい頃は兄のCD棚から引っ張り出して聴いていたので、完全に兄の趣味でしたね。当時はジャンルなんて考えたこともなくて。後で人に言われて、それが渋谷系だったんだなって。なぜかフリッパーズギターは聴いてなかったんですけど(笑)、advantage Lucyとか空気公団とか、兄の世代が大学生のときに流行ってた音楽を10個下の中学生の自分が影響を受けて聴いてました。

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ここ最近はどうですか?

YeYe

今でもあんまりジャンルを気にせずに好きだと思ったやつを聴いてます。これも人に言われてわかったんですけど、最近好んで聴いてた音楽がチェンバーポップっていうジャンルらしくて。

チェンバーポップ、ですか。初めて耳にしました。

YeYe

普通のバンドに金管楽器などのホーン隊が入って、バンドとオーケストラが混ざったような感じのジャンルをそう呼ぶらしいです。

なるほど。それを聞くと、今だったらthe chef cooks meとかが思い浮かびます。

YeYe

ああ、きっと入ると思います。中学生の頃からずっと好きで聴いてたBELLE AND SEBASTIANとか、Feistも実はチェンバーポップ的な要素があって。ベルセバ(BELLE AND SEBASTIAN)は大人数ですが、Feistは1人名義としてえらい数のサポートメンバーと一緒にやってるんですよ。他にも、最近チェンバーポップって意識して聴いたのはSufjan Stevens。その人も、いっぱいサポートがいて、いっぱい音が入ってるのが好きなんだなってことに気付きましたね。

今のYeYeのスタイルに重なりますね。

YeYe

はい、実はもともと弾き語りをしたくて音楽を始めたわけではなくて。ソロプロジェクトに対して、いろんな人に手伝ってもらってやるのが、自分の理想なんです。

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YeYeはメンバーの決まったバンドではなく、あくまでソロプロジェクトとして、柔軟にサポートを付ける、というのが理想なんですか?

YeYe

そうですね。でも、やっぱりそこには信頼関係が成り立ってることが重要で。今のサポートメンバーじゃなく、めちゃくちゃ上手い、すごくプロフェッショナルな熟年プレーヤーと一緒にやればいいというわけでもなくて。その人となりが出る音になればいいなと思ってます。今の4人(Ba他:浜田淳(Lainy J Groove)、Key:田中成道、Dr:妹尾立樹(LLama)で1、2年やってきて、家族みたいな信頼感が生まれきて、それはバンドの音にすごく反映されてると思います。最終的には50人くらいでやりたいので、ここから更にステップアップできる時期が来たら、また増えるかもしれないです。

正直、弾き語りのイメージが強かったです。

YeYe

バンドセットがレギュラーで、ソロもある、みたいなつもりでやっていきたいです。だから、シンガーソングライターっていう名義が自分の中でそんなにしっくりきてなくて。CORNELIUSさんとか、一人でもシンガーソングライターとは言われないじゃないですか。

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確かに、そうですね。

YeYe

でも、YeYeのバンドメンバーは誰も車を運転できないんで(笑)、バンドセットは基本的に関西圏だけです。

現地集合、ってわけですね(笑)。

YeYe

はい、だからがんばって来年免許をとろうと思ってます。誰も乗りたがらないですけど。(笑)

家族のようなサポートメンバーの方たちからは、どんな影響を受けたんでしょうか?ちょっと異色なメンバーですよね。

YeYe

そうですね。みんな年上のおっさんですし(笑)。

(笑)皆さんとは、どうやって知り合ったんですか?

YeYe

大学生のときに、京都の二条にある公◯食堂(こうえんしょくどう)っていうお店の前身で、ぶっとんだ伝説的なカフェバー(café&bar 大会)が1年くらいあって。そこで私がアルバイトしてたときの先輩がじゅんじゅんさん(浜田淳)やったんです。そこから他のメンバーとは音楽的な横の繋がりが出来ていって。兄をはじめとして周りが年上の環境で育ったからかもしれないですけど、気付いたら、仲良くなるミュージシャンが30代の人ばかりで(笑)。でも、気持ち的にもやりやすいし、ものすごく信頼してますね。

“しるし”をつける

定期的に行なっているUstreamについて、「11日」への想いを聞きたいと思ってました。

YeYe

ああいうこと(東日本震災)が起きたときって、報道は取り上げ方に波があるじゃないですか。最初はいっぱい特集して。もちろん、最初の衝撃はすごく大きいものだから、その成り行きはすごくわかるんですけど、それがだんだん薄くなっていくことに違和感を感じてて。1年後、2年後、っていう風に特集が組まれるじゃないですか。それって、思い出すのにすごく大事だと思うし、区切りの意味もあると思うんですけど、目に見えて減っていくじゃないですか。

はい。

YeYe

それに対してすごく違和感があって。自分がやってることが人の助けになってるとは全然思ってないんですけど、自分の気持ち的にも、内向的にならないためにUstreamっていうツールを使ってます。それに、何より続けることが大事だと思っていて。どうなっていくのかはわからないですけど、続けることで何か意味が出てくるんじゃないかなと。きっと、思い出すのが嫌な人もいるでしょうし、3月11日にそういう出来事が起こったっていうことを思い出すっていうのも何かちょっと違う気がしてて。私の場合、ちゃんと”しるし”を付けるという意味でUstreamをやってるだけで、さらにそれが歌ってなくてもいいと思うんです。たまたま自分は歌を歌っていたからというだけで、別に何でもいいんですけど、11日には、何かアクションを起こしていけたらなって思ってます。途中から漫談とかになるかもしれないですけど(笑)。

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