聴いてくれた人それぞれが、十人十色の解釈をしてもらえれば良い。
前作の『BREAK BOY』は環ROYさんのBボーイ観やヒップホップ観をテーマにしたコンセプチュアルな作品でした。今回の『あっちとこっち』というタイトルについては、ツイッター上で「特に意味はない。言葉の語感でタイトルを付けた」と言っていましたね。
環あまり自分では相対的、対極的なアプローチをしたつもりはないんです。タイトルを考え込み過ぎてしまって。思考が狭くなって重くならないように、タイトルに意味を込めずに語感で決めるという選択をしました。思い詰めまくって作ってたなぁって思っていたので、一つの抜けになり得るかなぐらいの軽い気持ちですね。
『あっちとこっち』は、絞り出したというよりも自然に出てきた言葉という印象を受けました。ちなみに、他にはどんな候補が挙がっていたんですか?
環最初は『ゆくえの行方』ってタイトルだったんですが、なんだかこれじゃ重いのかなと思いました。その後もずっとタイトルを考えていたんですけど、その中で直感的に良いなぁと思ったのでこれに決めました。
リスナーにとって、十人十色それぞれの解釈ができる作品になったと思います。
環そうなってくれれば良いなと願っています。
ちなみに、ジャケットとアーティスト写真に黒猫が写っていますけど、これにはどんな意味があるんでしょう?
環そんなに意味はないです。色々な写真を見ていた流れで、何かしらの運動物が被写体よりもかなり大きな割合を占める写真って、シンボリックでインパクトがあるよね。みたいな話になりました。その際、荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドみたいな写真が面白いかもねっていう話になって。副次的に世代感も表現できるのかなという思いもありますね。
ある意味、前作よりレベルだしハードだと思っている。
リリックに書き記されている内容は、環ROYさんが日常で思っていることですか?それとも、ストーリーやシナリオを設定しているのでしょうか?今作の『あっちとこっち』のラップには、前作の『BREAK BOY』よりもソフトな印象を受けました。
環前作は解りやすいパンク感やレベルミュージック感が強かったと思うんですけど、今回はどっちの要素も混在していますね。個人的には新しい国産のヒップホップの文脈を創造していると考えているので、ある意味では前作よりレベルかつハードであると考えています。
『フルメタルラッパー』という曲には、前作の『J-RAP』で歌っていた日本語ラップへの想いをさらに吐露しているように感じました。
環近いかもしれません。続編ではないですけど、前作に似たニュアンスが顕在化していると思いますね。個人的には『J-RAP』に比べると、より希望史観的になっていると思っています。
ブルーハーブ、ライムスター、クレバといった、自身がリスペクトするミュージシャンの名前が曲中に出てきますが、環ROYさんは過去のインタビューの中で、クレバについて言及してきたと思います。改めて、クレバの魅力を教えてもらえますか?
環『よろしくお願いします』っていうアルバムが出て、『心臓』っていうアルバムの次に『OASYS』っていうミニアルバムが出たんですよ。自分はその3つのアルバムの流れがすごく好きなんです。今度アーティストブックを出すじゃないですか?その辺はあんまり興味ないんですね。でも『OASYS』があるからなんか凄くいいんですよね、それも。って抽象的になってしまいますね…。ガチで答えたら物凄く長くなってしまうと思います。4000字くらい行けそうです。
dry river string
山嵜廣和
魚頭圭
木暮栄一