CONTRASTは、創(造)る行為で私たちを魅了する人物にフォーカスし、彼らとの対話から「ものづくりの温度」を伝えるウェブマガジンです。

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CONTRAST [インタビュー] 面白いバンド、こんなにいるんやで

面白いバンド、こんなにいるんやで

middle9(プロフィール)

middle9

プロフィール middle9
外山素子(ヴィブラフォン、ピアノ、オルガン)新堀寛(ギター)、青木文彦(ドラム)、猿田健一(べース)、サポートメンバー:covochang(トランペット)

2003年より大阪にて活動開始。2006年当時、toe, nine days wonder, AS MEIAS, SEQUENCE PULSEなどをリリースしてきたcatuneより、1st mini album『Swing and Circle on the Fluyt』でデビュー。そして2008年9月、自主レーベルLYONより、1st full album『SEA THAT HAS BECOME KNOWN』を発売。この2作品ではマスタリングエンジニアにTortoise, HIM, SUN RA等を手掛けるSAEmastering/Roger Seibel氏を招き制作。2010年より関西を中心に自主企画『Room』を定期的に主催してきたが、遂に2012年5月26~27日の2日間に渡り、大阪服部緑地公園でスペシャルバージョンとし野外開催を決行。
middle9 ウェブサイト
Room ウェブサイト

Room Specialをご存知だろうか。今年の5月に大阪で開催された野外音楽イベントである。CONTRASTにも登場するdry river string、L.E.D.、LITE、LOSTAGE、toe、WUJA BIN BIN、環ROYなど20組以上のミュージシャンが出演したインディー音楽の豪華祭典は、二日間でトータル約2000人以上の集客を記録し、大成功を収めた。

主催者はmiddle9という大阪のバンド。そもそもRoom Specialは、Roomという名前で2010年に彼らの自主企画として始まった。ライブハウスというギュッとした空間で行なってきた彼らのイベントを開放的な屋外で開催するまでに2年。その立ち上げから拡大までの道のりの中で、middle9は対外的な活動をライブという形でしか行なってこなかった。3年8ヶ月振りのミニアルバム『Cettia diphone』のリリースとRoom Specialの開催が同時期だったことを考えると、彼らのギアが一気に加速した裏側にはどんな経緯があったのだろうか。ミュージシャンとRoomのオーガナイザー、middle9の二つの顔に迫る。

Text by Shota Kato Photo by Takuya Nagamine

リミックスを除いた4曲でひとつの台本

前作の『SEA THAT HAS BECOME KNOWN』から5月にリリースされた『Cettia diphone』まで3年8ヶ月のリリース期間が空いてるんですよね。まずはその空白期間について聞かせてもらえますか。

青木

リリースは空いたけど、ひたすらライブを続けてきましたね。

それはライブに専念するという決め事があって?

青木

いやいや、そんなこともないんですよ。

ほぼオリンピック周期ですよね。

一同

(笑)。前作がフルアルバムということもあって、その制作にかなり集中していたから、次は自然とライブに集中していったっていう感じかな。


外山

この期間はメンバーの変わり目だったので、ライブを通じてコミュニケーションを図るための期間だったというか。

CONTRAST [インタビュー] middle9 | 面白いバンド、こんなにいるんやで―

新しい体制の土台を築くための期間だったっていうことですね。

青木

そうですね。ベースが一昨年の暮れぐらいから変わって、今回のミニアルバムにはメンバーチェンジする以前からあった曲もあれば、それから作り始めてできた曲もあって。


covo

あれやもんな。前作のリリース直後にトモピー(前ベーシスト)が抜けたんやな。


外山

あ、そうそう。それから3年?


新堀

3年ぐらいになるよね。


猿田

俺が入ったのが2010年の秋ですよ。

CONTRAST [インタビュー] middle9 | 面白いバンド、こんなにいるんやで―


青木

そうそう。たしか10月とか。

middle9の音楽って大きな括りではロックだけど、ファンクだったりジャズの要素があるじゃないですか。インストバンドはアンサンブルが肝だと思うんですけど、メンバーが代わったことで、演奏面での呼吸感に影響があったと思うんですね。

新堀

うん、めっちゃ変わった。

前と比べてどんな変化がありましたか。

新堀

曲作りがすごく楽しくなったよな。


外山

うん。


新堀

アイデアを出し合うことがスムーズになったのかな。


外山

今回のミニアルバムってリミックスを除いた4曲でひとつの台本なんです。この曲がきたら次はこの曲っていう、もう行き当たりばったりで曲を作るのはやめたんだよね。


covo

合わせてるうちに拾ってることも多かったんちゃう?

CONTRAST [インタビュー] middle9 | 面白いバンド、こんなにいるんやで―


外山

うん。

middle9の曲ってどんなプロセスを踏んで作られるんですか。

新堀

こんなんいいなぁっていうネタを俺なりこの子(外山)なりが持ち込んで、それをスタジオで合わせてみたり、ごくたまにセッションで作ってみたり。


青木

曲の出来方は前と変わってないかな。昔はセッションのほうが多かった。今回録ったやつはライブでやってきた曲が幾つかあったから、音源先行ではないな。


新堀

1曲目(「Poche」)と2曲目(「Le bleu du pharaoh」)と4曲目(「Freesia」)はライブでやってたもんな。

「Freesia」は収録曲の中でも一番好きですね。今の時点で今年のベスト・エモ・トラックです。

新堀

ありがとう、うれしいわぁ。「Freesia」はちょっとライブでやっていて、しばらくライブでやってなくて。また音源を出してからやるようになったっていう。

あとstimのTaichiさんがリミックスした「Ionie」ですけど、すごい再構築の仕方ですよね。1st(「Swing and Circle on the Fluyt」)に収録されている原曲を知っている人は、びっくりしたと思います。

青木

これには俺らもびっくりした。デモの段階では歌が入ってなかったんやけど、送ってくれた本チャンを聴いたら歌が入っていて。

あれはリミックスならではのアプローチですよね。

青木

そうっすね。自分たちの演奏で曲を作る場合は、歌ものにはそれほど興味はなくて、それよりもバンドで演奏することに可能性を求めたいというか。

CHICAGO UNDERGROUND QUARTETの大衝撃

プロフィールにも書いてありますけど、middle9にとって、いわゆるシカゴ音響系からの影響って大きいですか。

青木

元を辿るとすごく大きいかな。青春やね。


新堀

だいぶ昔のことだよな。Tortoiseの来日公演を観に行って。


青木

そうそう。『Standards』を出した時やった。


新堀

Tortoiseを観に行ったんやけど、その前座でライブをやってたCHICAGO UNDERGROUND QUARTETを観て、そこで大衝撃を受けて。

どんなところに衝撃を受けたんですか。

新堀

言うて。


青木

あれは言葉にならない(笑)。


外山

(笑)。わたしには、ジャズ出身の人たちがジャズじゃない音楽をやろうとしているように見えたな。ジャズを知らなかったから、はじめて聞いたような音楽で。


新堀

あれはセンセーショナルやった。

middle9結成以前の話になりますか。

青木

いや、結成して2,3年目とか。

そのタイミングで、音楽性としては今の形にシフトしていったってことですか。

青木

うん、大きく言うたらそうやね。

CONTRAST [インタビュー] middle9 | 面白いバンド、こんなにいるんやで―

逆にそれ以前のmiddle9ってどんな感じだったんですか。

新堀

MOGWAIみたいな感じ。

え、ポストロックですか。

新堀

いや、あのね。ベースが2本おって。

えー、斬新!

新堀

ほんまにほんまに。ゴッドスピード(Godspeed You! Black Emperor)が流行っとったからなぁ。轟音掻き鳴らし系のシューゲイザーっちゅうか。


青木

その頃はピアノもなかった。


新堀

ギター弾いとったもんな。


外山

そう、弾いてた(笑)。

じゃあ、ヴィブラフォンも?

新堀

ないない。


青木

ヴィブラフォンは1stが出るちょい前ぐらい。ピアノを入れて、次にヴィブラフォンを入れてっていう順番っすね。

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