CONTRASTは、創(造)る行為で私たちを魅了する人物にフォーカスし、彼らとの対話から「ものづくりの温度」を伝えるウェブマガジンです。

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CONTRAST [インタビュー] 普遍的かつ最先端の音楽

普遍的かつ最先端の音楽

(((さらうんど)))(プロフィール)

(((さらうんど)))

プロフィール (((さらうんど)))
イルリメこと鴨田潤(Vo, Gt)と、Traks BoysのK404(PC, Drum Machine)、Crystal(Key)により2010年に結成されたポップスバンド。同年夏にシングル、「サマータイマー」をフリーダウンロード配信し注目を集める。さらに同年末のカクバリズム企画LIVEにて、サポートメンバーに、STRINGSBURN a.k.a. Kashif(Gt)、アチコ(Cho)を迎えた5人体制で初LIVE。1年の製作期間を経て、遂に待望の1stフルアルバム『(((さらうんど)))』を2012年3月7日、カクバリズムよりリリース。

(((さらうんど)))オフィシャルサイト

繰り返し聴きたくなる音楽には、自分の中に培われた心地良さと味わったことのない体験が深く関わっているように思う。話題のポップスバンド(((さらうんど)))のセルフタイトルを冠した1stアルバムもその一つだ。

シンガーソングライターとしても活動するイルリメこと鴨田潤の普遍的な歌心と、Traks Boysによる最先端のトラックメイキングが見事なまでに融合。ポップスというスタンダードに、ヒップホップ、ハウス、テクノなどのクラブカルチャーの色を落とし込み、懐かしさと新しさが共存する唯一無二の音楽が完成した。

イルリメとTraks Boysは、ヒップホップと電子音楽といった各々の主戦場で着実にキャリアを積んできた。そんな実力者である彼らが邂逅して、バンドという形で共に音楽を鳴らしている。ポップスという新たな領域へチャレンジする彼らの姿勢からは、探究心だけでなく、大の大人が無邪気に音楽を楽しもうとする遊び心が伝わってくる。大人や都会への憧れを連想させるシティポップを引き合いに、「2012年型のシティポップ」と称される(((さらうんど)))にとって、遊び心は一つのファクターだろう。

(((さらうんど)))が表現しようとするポップスとは何か?イルリメとCrystalに訊く。

Text by Shota Kato Photo by WYPAX

(((さらうんど))))でやりたいシティポップと、いわゆるシティポップは違う。

ご本人たちを目の前にして言うのも恐縮なんですが、僕のPCで今年のiTunes再生回数のトップが(((さらうんど)))の1stアルバムでして。

鴨田

よっしゃ、ありがとうございます。


Cry

自分たちでもよく聴くんですよ。自分の作品だけど聴き込んでいるという。

(((さらうんど)))について「2012年型のシティポップ」という表現を見ましたけど、当事者としてもシティポップを意識したんでしょうか?

鴨田

これ、どこでシティポップっていう言葉が出てきてプロモーションしてるんやろ?(笑)


Cry

その言葉が印象として一番強いということなんだろうね。最初に目指した言葉にシティポップはあったんですけど、シティポップは80年代の音楽じゃないですか。たしかにシティポップからの影響はあるんですけど、(((さらうんど))))でやりたいシティポップといわゆるシティポップは違うという意識もありました。


鴨田

シティポップの持つギラギラした都会感をリバイバルするわけではなくて、そこから頭の中でイマジネーションを膨らませた感じですね。

CONTRAST [インタビュー] (((さらうんど))) | 普遍的かつ最先端の音楽

個人的にはCrystalさんがご自身のウェブサイトで書いている文章を読ませていただいて、なるほどなと思いました。

Cry

あぁ、書いてましたね(笑)。


自分たちが暮らす「街」を遊んでいる人たちのためのポップスという意味で、2012年型のシティポップ。シティポップへのオマージュを感じても、しっかりと現代のご自身たちのエッセンスが注がれていますよね。

Cry

そうですね。そういう風に聴いてもらえると有り難いですね。

個人的には「ジュジュ」「タイムリープでつかまえて」「冬の刹那」辺りから、いわゆるシティポップのニュアンスを感じました。

Cry

ジャンベとかディジュリドゥを使ってませんからね(笑)。


鴨田

今度入れてみる?K404に練習してもらって(笑)。

シティポップから民族音楽に(笑)。

Cry

自分たちの好みではありますけど、エレクトロニックなサウンドを自然にやっているし、シティポップをそのまんまやることには違和感があるというか。例えば、山下達郎さんの音をそのまんまやりたいとは思っていないし、それを自分たちなりに昇華して出来たものが1stアルバムですね。

CONTRAST [インタビュー] (((さらうんど))) | 普遍的かつ最先端の音楽

小学生の頃、耳にしていた音楽がシティポップだと思う。

お二人って今お幾つなんですか?

鴨田

35歳の同世代なんですよ。

80年代ってどんな音楽を聴いていたか覚えています?

鴨田

僕はやっぱりチェッカーズですね。

Crystalさんは?

Cry

やっぱり歌謡曲ですよね。僕は初めて買ったアルバムがTM NETWORKで、そこから音楽をやりたいと思いましたから。でも、中学ぐらいになって洋楽を聴き始めて「ダサいな」って思うんですけど(笑)。


鴨田

あるよね。反抗期みたいなもんやな。


Cry

でも、後になると逃れられないなというか。後から聴いて再発見もしましたし。

例えば、シティポップというキーワードからどんなアーティストを連想しますか?

鴨田

やっぱり小学生の頃、耳にしていた音楽がシティポップだと思うんですよ。意識して聴いていたわけではないけど、杉山清貴さんとか。「ひょうきん族」のエンディングテーマって誰が歌ってたんやっけ?


Cry

たぶんEPOだよ。


鴨田

あれを子どもの頃に聴いて、大人になってから深く音楽を聴いていくうちにシュガー・ベイブを知って、戻ってきたという感じですね。

これも再発見ですね。

Cry

山下達郎さんや吉田美奈子さんとかを聴いたのは20代半ばになってからで、わりと最近なんですよね。子どもの頃は自然に耳にしていたという感じで、やっぱり大人の音楽なんですよね。無意識に刷り込まれていたというか、意識的には聴いていなかったですよね。意識的に聴き始めたのは、それこそTM NETWORKぐらいかな。TM以降はいわゆるエピック・ソニーのアーティストを聴いてました。岡村靖幸さんも大好きでしたね。あとは初期のB’z。ダンサンブルな時代のB’zは良かった(笑)。

CONTRAST [インタビュー] (((さらうんど))) | 普遍的かつ最先端の音楽

それ、僕も同意です(笑)。

Cry

それから洋楽に一回行くんですよ、ボン・ジョヴィとか。それもダサいというか(笑)。ヘビメタとかも聴くんですけど、そこまではTMも共存してましたね。でも、14歳の頃にマニック・ストリート・プリーチャーズを聴いて、一気に変わっちゃいました。それまでのものは全部無しぐらいに。

鴨田さんはどう変わっていくんです?

鴨田

チェッカーズの次はブルーハーツですね。その次はブリティッシュ・ハードロックに。


Cry

ブリティッシュって?


鴨田

ブラック・サバスとかレッドツェッペリンとか。


Cry

あぁ、なるほど。


鴨田

バンドをやるきっかけになる音楽ですね。