CONTRASTは、創(造)る行為で私たちを魅了する人物にフォーカスし、彼らとの対話から「ものづくりの温度」を伝えるウェブマガジンです。

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CONTRAST [インタビュー] 感情のピークポイントから生まれるブルース

感情のピークポイントから生まれるブルース

we are time(プロフィール)

we are time

プロフィール we are time
イワモトリョウ(ex.SiNE / ex.maiysha)によるソロプロジェクト。

1stアルバム『Burn to Shine』をはじめ、くぐもった音色の織り成す独特な世界観をギターひとつで繰り広げている。mouse on the keysやkowloonなどのライブサポート、自身のライブではセノオGEE(ex.灰汁)や清田敦(mouse on the keys)との共演など、都内を中心に活動中。最新作は2012年2月14日リリースの5thアルバム『Let’s Go Out Tonight』。Loren Connorsを敬愛してやまない。

Rondade / we are time

一見取っ付きにくそうな音楽が、実はその人の日常に寄り添う音楽だったりする。

静謐な雰囲気の中にあるたしかな温度。漆黒の闇の中で朧げに光る明かりの正体は、闇夜の街の片隅を照らす街灯の光だった。得体の知れない不気味なものかと思いきや、僕らの暮らしと身近な距離にあるものだったのだ。

ギタリストwe are timeことイワモトリョウの奏でる音像は、ロウソクの炎のように儚い。揺らめく炎はギリギリのところで消えることなく燃え続ける。それはまるで、幾多の紆余曲折を経てwe are timeに至った彼を表しているかのように。苦悩の果てに掴んだ境地から、ギターひとつで何かを表現しようとしている。

we are timeのくぐもったギターの音色には、イワモトのどんな想いが込められているのか。彼が追求する世界観に迫った。

Text by Shota Kato Photo by WYPAX

音楽をやること自体が痛手なのかもしれない。

リョウさんは、今でこそwe are timeという名義でギターインストをやっていますけど、以前はハードコアバンドに在籍していたんですよね。

岩元

Mr. Freedom Xというバンドを組んだのが最初ですね。じきにmaiyshaという名前に改名するんですけど、maiyshaはマイルス・デイビスの愛人の名前に由来していて。マイルスの『Get Up With It』という僕が好きなアルバムの中にも「maiysha」という曲がありまして。

maiyshaでは、ノイズを掻き鳴らしていたと聞いています。

岩元

はい(笑)。すごく流動的なバンドでした。一度、mouse on the keysの川崎さん(川崎昭)に、ツインドラムでライブに参加していただいたこともありましたね。

音源のリリースはなかったんですか?

岩元

後にも先にも全国に流通したmaiyshaの音源は1枚だけでしたね。ライブ会場ではCD-RとDVD-Rは売っていましたけど。1枚だけの正式音源はオムニバスなんですけど、縁があって、曽我部恵一さんとコンピレーションを作ろうという話になったんですね。僕と曽我部さんで手分けして協力してくれるミュージシャンを探して、僕は自分のやっていたmaiysha以外に、やけのはらさん、sewing machine(toeの美濃隆章、柏倉隆史、kowloon / stimの中村圭作によるユニット)、カクバリズムの角張さんにBOYS NOWを復活させていただいたり。その音源にも、ツインドラムで川崎さんに参加していただきました。

CONTRAST [インタビュー] we are time | 感情のピークポイントから生まれるブルース

それって、もしかして『Perfect!』ですか?

岩元

そうです、そうです。

持ってますよ。すごく好きなコンピです!

岩元

ありがとうございます。『Perfect!』のリリースライブをUNITでやったんですけど、やけさんのDJの時にね、初めて七尾旅人さんをフィーチャリングしたんです。そこで、あの「Rollin’ Rollin’」が作られるきっかけになったっていう。

おぉ!

岩元

今まであからさまに言ってこなかったんですけど、たぶん、あまり知られていないと思うんで、周りに広めてください(笑)。あ、けど僕が思い込んでるだけかも。

maiyshaはその後どうなるんです?

岩元

結局、僕とヴォーカルが仲違いして解散しちゃいました。誰がバンドの舵取りをするのかで揉めて、僕がやると独裁になっちゃって、みんな傷心したまま空中分解してしまったんです。悲しい終わり方でしたね。それを機に、自分でバンドを指揮することは辞めようと決めたんですよ。なので、先輩たちとやろうと思って、SiNE(シネ)というバンドに加入させていただいたんです。

CONTRAST [インタビュー] we are time | 感情のピークポイントから生まれるブルース

SiNEは知ってましたけど、改めて衝撃的なバンド名ですよね。

岩元

(笑)。初めてスタジオに行った時、nemoの本間さん、Limited Express (has gone?)の武田さん、toddleの江崎さん、PLUGDEADの野本さんがいて、皆さん僕より年上なんですね。僕はターンテーブルを持ち込んで、松田聖子さんの7インチを擦りまくって、マーシャルのアンプから出すっていうことをやって(笑)。LESS THAN TVも大好きだったし、しつこくリハーサルスタジオに通い続けていたら、メンバーに入れていただけることになって、SiNEみたいな個々が立っているバンドのメンバーになれたのは嬉しかったですね。

ターンテーブリストとして加入したんですか?

岩元

SiNEって、元々は「ブラックサバスがダブバンドをやったらどうなるか?」といったテーマのバンドで、ターンテーブルは要らないっていう話になったんですよ(笑)。じゃあ、ギターやりますっていうことになったんですけど、トリプルギターはめちゃくちゃだなという話になって。それで、僕は中高と吹奏楽部で管楽器をやっていたので、自分のサックスを約10年振りに引っ張り出してきて、SiNEではサックスを吹いていたっていう。でもね、SiNEと同時進行でwe are timeは始まっていたんですよ。

最終的にSiNEを脱退してwe are timeに専念しますけど、maiyshaの解散とSiNEの脱退は、バンドを離れるという意味合いが全く違いますよね。

岩元

そうなんですよね。maiyshaはバンドの指揮をとれないと思って、結果として解散して、SiNEを脱退する時は、もう自分は生涯バンドをできないと思ったんですよね。これ以上の迷惑は掛けられないということで、痛手を負いましたし、音楽をやること自体が痛手なのかもしれないとまで思いました。でも、一番やりたいのはバンドなんですよ、本当は。音楽はバンドこそ全てだと思ってます。

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