CONTRASTは、創(造)る行為で私たちを魅了する人物にフォーカスし、彼らとの対話から「ものづくりの温度」を伝えるウェブマガジンです。

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CONTRAST [インタビュー] 人ありきの音楽活動

人ありきの音楽活動

村田シゲ(プロフィール)

村田シゲ

プロフィール 村田シゲ
ミュージシャン。松田岳二率いるCUBISMO GRAFICO FIVE、三浦康嗣といとうせいこうとのユニット・□□□(クチロロ)に所属。その傍らでMASTER LOW、FRONTIER BACKYARD、NONA REEVESなど、様々なアーティストのサポートミュージシャンも担当。マルチに活動する一方で、スペースシャワーTVのTwitterとUstreamを連動させた音楽情報番組「スペシャエリア」にてVJも務めている。□□□は2011年2月23日にアルバム『CD』をリリース。4月6日にはCUBISMO GRAFICO FIVEのミニアルバム『HALF DOZEN』のリリースを控えている。
http://www.cbsmgrfc.net/five/
http://www.10do.jp/kuchiroro_new/
http://ughhellabikini.com/

□□□(クチロロ)とCUBISMO GRAFICO FIVEは、常に新しいアイデアで世の中を楽しませてくれる音楽ユニットだ。どちらにも共通しているのは、ひょうきんなあの男がメンバーにいること。村田シゲである。メイン以外にもサポートミュージシャンとしても精力的に活動する彼の姿からは、様々なことにチャレンジしたい欲が多方面に働いているように映る。ところが、今回の取材で自身のキャラクターのルーツや音楽活動におけるスタンスについて訊いてみると、村田シゲの口から出てきたのは、あまりにも意外な言葉だった。

Text by Shota Kato

偶然YouTubeで辿り着いたBOOWYから受けた衝撃。

シゲ

今日はBOOWYについて話せばいいんだっけ?

それもありますけど、テーマはBOOWYではないです(笑)。BOOWYはリアルタイムの経験じゃないんですよね?

シゲ

うん、全然。オレ、BOOWYはビジュアル系の先駆けだと思っていたんですよ。曲も『MARIONETTE』ぐらいしか知らなかったからさ。

きっかけは?

シゲ

ここ3年ぐらいなんだけど、YouTubeでBOOWYの『BABY ACTION』っていう曲を聴いてみたら、Aメロがスカで。そのAメロになった瞬間に、ヒムロックがビートロックっぽくない動きになったんですよ。初めてビジュアル系とスカの融合みたいなやつを見て、「これはなんだ!?」って思って。

偶然行き着いた曲が衝撃的だったんですね。

シゲ

次に辿り着いた『DREAMIN’』って曲もすごくて。歌詞が熱いんだよね。ヤンキーなんですよ、完全に。オレ、ヤンキーになれなかったから憧れがあって。あと、BOOWYは活動時期がすごく短いでしょ?キレイに辞めているよね。しかも再結成する恐れがないっていう。もう、全てが夢として詰まっていて、完璧なんですよ。掘れば掘るほど分かったんだけど、BOOWYの音楽って当時のUKの音楽とかと繋がるんだよね。最初のアルバムとか、思いっきりニューウェーブを取り入れていて。BOOWYのこと全然知らなかったから、すごく音楽的だったんだなって。

マイホームを一つに絞れない。音楽よりも人が好きなんですよ。

CUBISMO GRAFICO FIVEとクチロロは、音楽性の幅が広くて、表現の引出しやアイデアが豊富なグループだと思うんです。で、その両方に共通していることが、メンバーに村田シゲがいるということで。そこがすごく興味深いんですよ。

シゲ

オレね、ややこしい人間なんですよ。あまのじゃくな人って寂しがりだと思うんだけど、それがモロに出ている気がします。

突っ込んで、そこを聞かせてもらえますか?

シゲ

つまり、どちらか一方だけにマイホームを持てないんですよ。たまたまなところもあるんだけど、学生時代からバンドやって、知り合いが増えて。皆誘ってくれたりして、色々なバンドをやっていたんですよ。別にお金になるわけでもなく。単純に呼ばれたら嬉しくて、楽しかったから。色々なことにトライしているっていう発想ではないんだよね。だから、マイホームを一つにするのは、オレの中で怖いことだと思う。

なるほど。シゲさんは、MASTER LOWやNONA REEVESでサポートミュージシャンも務めていますよね。メインの活動を含めて、タイプの異なる複数の物事を同時進行することって、なか なか難しいと思うんですけど、プロジェクトごとに自分の役割って意識しますか?

シゲ

立ち位置は多少意識的になることはあっても、実際に演奏することに関しては、上手く出来ているかはさておき、特に意識することはないです。たしかに、音楽のジャンルやニュアンスの違いはあるんだけど、基本的には人とやっているわけで。

それが大前提なんですね。

シゲ

そう。だから、あまり変わらないと思うんだ。どこで弾いているオレも。周りはどう見ているのか分からないけど。その意味では、オレは器用なようで器用じゃないのかも(笑)。

ひとつ一つを追求するのと手広くやるのでは、どちらの気持ちの方が強いんでしょう?

シゲ

何年か前に気付いたんですけど、オレね、音楽よりも人の方が好きなんです。どうしても音楽が必要な人間じゃないんですよ。人がいるからやっているんだと思う。だから、音楽と鍋が好きなんですよ(笑)。どっちも独りだとやれないじゃない?前にね、堂島孝平くんに教えてもらった京都ですごく有名な湯豆腐屋さんがあるんだけど、ツアーのオフの日に独りで行ってみたら、ウンともスンとも美味くなくて。やっぱ、相手がいるから良いんだよね。

じゃあ、曲作りで独りの時間なんて大変じゃないですか?

シゲ

そう。今日もずっと寂しかったの(笑)。

そんなシゲさんが携わった曲の中で、CUBISMO GRAFICO FIVEの『CHUKIT』が完成するまでのエピソードは、人とのコミュニケーションが表れていますよね。ツイッター上で「大合唱にしたい」って呼びかけたことで、コーラスをやりたい人がたくさん集まって。結果、素晴らしい曲が完成しました。

シゲ

ありがとうございます。まさにあの曲は、さっき言った音楽よりも人が好きなんですよ。でも、一度はツイッターを辞めちゃったっていう(笑)。

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