CONTRASTは、創(造)る行為で私たちを魅了する人物にフォーカスし、彼らとの対話から「ものづくりの温度」を伝えるウェブマガジンです。

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CONTRAST [インタビュー] フードの奥にある素顔

フードの奥にある素顔

skillkills(プロフィール)

skillkills

プロフィール skillkills
Composer , Bass:スグルスキル
Drums:リズムキルス
Mic:マナブスギル
BLACK SMOKER RECORDSから2011年に1stアルバム『skillkills』、2012年に2ndアルバム『BLACK MUTANT』をリリース。2014年に自主レーベル・ILLGENIC RECORDSを立ち上げ、3rdアルバム「ILLGENIC」をリリース。2015年1月には4thアルバム『Ill Connection』を発表、3月にLOSTAGEの五味岳久が主宰するTHROAT RECORDSより4thアルバムのアナログ盤も発売となった。 スグルスキルはGuruConnect名義のソロ・プロジェクトにて6ヵ月連続でアルバムをリリースする『Beat Calendar』に挑戦中。

フードを深く被り、薄暗いライトの中で常識破りの変則リズムを繰り出す男たち、skillkills。姿は見えないのに、違和感さえ覚えるビートは体に染み込み、本能的に踊らされてしまう。一度聴いたら記憶に残る、しかし再現不可能のあの複雑なビートをまた浴びたい。まるで中毒症状のように、体があの音をを欲する。
一体どんな人たちがあのビートを刻んでいるのか?サウンドとバンド名からただならぬ殺気を感じたが、拠点にしているという阿佐ヶ谷はstudio zotに潜入した。
殺気立った空気の中、取材はスタート……とはならず、4thアルバムのアナログを発売したTHROAT RECOADSからオーナーの五味岳久(LOSTAGE)も駆け付け、想像とは裏腹に笑いの絶えない和やかなインタビューとなった。幼少時代からバンドの結成秘話、あのビートのルーツにも迫る。
取材協力:studio zot

Text by Yukari Yamada Photo by アカセユキ

ここでは言えない幼少時代

スグルさんとサトシさんは山口県のご出身だそうですね。いつ頃上京してきたんですか?

スグル

高校を卒業して、専門学校に入るタイミングで上京しました。とりあえず東京に出たかったので。まあ、専門学校に行くっていうのは口実でしたね。


サトシ

俺もなんとなく出てきました。

それは、お兄さんの影響もあったんですか?

サトシ

それもあったと思います。


スグル

田舎すぎてね。都会に出てみたかったんだよね。

CONTRAST [インタビュー] skillkills | フードの奥にある素顔

ちなみに、子どもの頃はどういうお子さんだったんですか?

スグル

……今と変わらないですね。


サトシ

だいぶ変わったよ。


スグル

そう、実はもっと痩せてたんですよね。東京に来るまでは。


まあ、いろいろと大変なことがあったんでしょうか。


スグル

大変なことね。そうかもしれない(笑)。

サトシさんはどんなお子さんでしたか。

サトシ

あまり変わってないです。そのまま今まで育ちました。

マナブさんは東京のご出身なんですね。

マナブ

そうです。江東区の下町なので、田舎ですけど。

この流れで聞いちゃいますけど、どういうお子さんだったんですか?

マナブ

ここには載せられないです。今よりかなりクソガキだったんで。とにかくクソで、よく人を怒らせてました(笑)。

CONTRAST [インタビュー] skillkills | フードの奥にある素顔

イタズラを仕掛けたり(笑)?

マナブ

そうですね。よくイタズラを仕掛けて、怒らせて、ケガをするのはしょっちゅうでした。調子に乗ってバチが当たるっていう(笑)。

最初に音楽と出会ったときのことは覚えていますか?

スグル

地元に文榮堂っていう本屋があったんですよ。田舎すぎてCDショップがないから、そこでCDも売っていて。中学3年の頃、家でBSの契約をしたのをきっかけに、音楽チャンネルが観られるようになって。それでニルヴァーナやレッチリを初めて聴いて、「すげえ!」と思って文榮堂にCDを買いに行ったのが最初ですね。


マナブ

兄貴が持っているCDを勝手に聴いてましたね。でも借りたことがバレると怒られるので、バレないうちにそっと返す。夕方までに。

帰ってくる前に(笑)。

マナブ

そうそう。まずはプレイヤーの再生ボタンだけ覚えて、でも、SKIPボタンが何なのかわからなくて。アルバムは長いから、最後の曲が終わるまでビビりながら聴いてました(笑)。

兄貴にバレない楽器弾き

楽器はいつから触り始めたんですか?

スグル

中1のときに仲良くなったやつが、ギターを弾けたんですよ。タモリに憧れてる変なヤツで、「趣味はいっぱい作ったほうがいい」って、いろんなことをやってましたね。小5でエロ本を買いに行くようなすごいマセたやつでした。


サトシ

それって大西くん?


スグル

そう、キューちゃん。そいつがね、サザンの弾き語りができたんですよ。それに憧れてギターを始めてはみたものの、全然上達しなくて。諦めてから2年後くらいに、キューちゃんからバンドやろうって誘われて。ギターは無理だって話したら、「ベースは4本しか弦がないから、大丈夫なんじゃない?」って言われて、そこからベースを始めましたね。


マナブ

俺は小6くらいのときですね。たぶん兄のものだったと思うんですけど、家にガットギターがあったので、最初はそれを逆さまに弾いてました。

ギターからなんですね。サトシさんはやっぱりドラムですか?

サトシ

俺はスグルのベースをこっそり弾くところからスタートしました。バレたら絶対に怒られるから、とにかくバレないことに神経を使ってましたね。指紋は必ず拭いて、ストラップの位置とかも覚えたり(笑)。

CONTRAST [インタビュー] skillkills | フードの奥にある素顔


マナブ

兄貴にバレないようにするのは最大のテーマだよね。

スグルさんは気付いてらっしゃったんですか?

スグル

いや、全然。サトシがドラムをできるってことも全く知らなくて。上京して、実家に帰ったときに気付いたんですよ。「こいつ、結構うめえやん」って。

見事にバレてなかったんですね(笑)。ドラムはいつ習得したんですか?

サトシ

田舎だったので、中学生のときに組んでたバンドメンバーの一人が、家にドラムを一式持ってたんですよ。それで、その子の家で俺もトコトコ触ってました。でも、本格的に始めたのは、高1くらいのときにスグルとバンドをやってたNATSUMENの山本達久のうまさに衝撃を受けてからですね。

みなさん、地元にいらっしゃるときにすでに楽器ができてたんですね。

サトシ

そうですね。ベース時代は「X(エックス)」って書いて「バツ」っていう名前のバンドもやってました(笑)。


スグル

憧れだったよね。田舎だと「◯◯中の◯◯君が、X弾けるらしい」って噂になるから。

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「ケンカが強い」と同等のステータスなんですね(笑)。

マナブ

それは東京も一緒でしたね。

そのころはみんなXに染まっていたと。

マナブ

そう、”紅” にね(笑)。


スグル

“Silent Jealousy” が難しそうに聞こえて、やってみると案外簡単だったりして。Xが割と弾けるとわかると、今度はブルーハーツを好きになるよね。


マナブ

俺は先にブルーハーツが弾けるようになって、その後がX。この2つは、俺らが中学のときみんな好きだったよね。


スグル

俺が最初にコピーしたのはサザンですね。去年も桑田佳祐観に行ったしね。俺はXより、どちらかというとGLAYですね。どんぴしゃ世代なので。GLAYかLUNA SEA。でもLUNA SEAはちょっと世代が上かも。


マナブ

LUNA SEA、GLAYって流れかな。


スグル

L’Arc-en-Cielとかもね。


サトシ

俺は、一番影響を受けたのは甲本ヒロトって断言できます。

なるほど。ブルーハーツだけではなく、甲本さんのやってきたバンド全てということですか?

サトシ

そうですね。ハイロウズも大好きです。

その他には何かやっていましたか?

マナブ

あとは、ニルヴァーナですね。強烈だったのはカート・コバーンとジミー・ヘンドリックスかな。でもマーシーも最高だったよね。

結成に向かったあの事件

skillkillsの結成はいつ頃ですか?

スグル

skillkillsとしては2011年ですね。

ということは、前身バンドがあるんですか。

マナブ

まったく同じメンバーで、GeGeGeGeQuartetっていうバンドをずっと組んでたんですよ。その頃は4人で、サックスありのインスト。フリージャズに憧れて、ジャンクっぽい音楽をやってました。

みなさんは何がきっかけで出会ったんですか?

スグル

俺とサトシとstudio zotのオーナーは、もともとAlan Smitheeっていうバンドを組んでたんですよ。それで、別のバンドにいたガクくんと吉祥寺Warpで対バンしたことがあって。


マナブ

俺は、そのGeGeGeGeQuartetのサックスと一緖に、ジャムっぽいバンドをやってました。サイケロックとでも言うかな、とにかくジャンクなバンドを。Alan Smitheeの第一印象は、スグルがずっとベースでジャイアントスイングしてて怖かった(笑)。とにかく、ステージングがすごすぎた。

CONTRAST [インタビュー] skillkills | フードの奥にある素顔

それは印象に残ったでしょうね(笑)。

スグル

それから何回か対バンしたり、一緒に飲んだり、ウンコもらしたり。


サトシ

あのときウンコもらしてなかったら、一緒にやってなかったかもな。


マナブ

あの日は、親交を深めたくて、Alan Smitheeのライブに一人で遊びに行ったんですよ。


サトシ

そのときはスタジオライブだったんですけど、ガクくんがワインの瓶でシンバルをシャーンって叩いてきて、盛り上がって「インプロビゼーション!」って叫んでいて(笑)。その日の打ち上げで、「さっきはすみませんでした。酔っ払ってシンバル叩いて」って言ってきて。


マナブ

ベロベロになりながらね。


サトシ

そのとき、「あれ?臭いなあ」って。ウンコもらしたやつ絶対いるなって思ってたら、小声で「あのさ、ちょっとウンコもらしちゃったんだけど……」って。「みんなに言ったら場の空気が悪くなっちゃうから…」って。もう悪いわ!って思いながら、その場では「わかりました」って言って、あとでスグルに「ウンコもらしとるやべえやつがおったから一緒にバンドやろうよ」って話したんですよ。


スグル

そうそう、それで後日連絡して、バンドを組むことになったよね。